糖質制限で毛髪力がよみがえる

糖尿病と薄毛の改善には、カロリー計算よりも糖質制限が必要ということを、もっと早くに気づいていればよかったのです。

しかし私は、現代医療が示すこと、しかも専門医が語ることが間違っているとは当時は思いもしませんでした。

まずは日常生活の改善、によって高血糖が治まらない場合、薬物療法を行います。インスリン製剤を投与するのです。治療のおかげで、私の血糖値はやや高めで推移しつつも、なんとか無事に過ごしていました。

ところが、2010年に再び急激な体重の減少が始まったのです。ウェストやお尻の脂肪だけでなく、筋肉までも急激に失われていくのを感じました。調べると体重は5キロ減り、空腹時の血糖は450mg/dL以上になっていました。

ふりかえってみれば、前回も今回も、体力が落ちる夏場に高血糖が起こっていました。このとき私は、はっきりと気づきました。糖質のとり過ぎと疲れ、ストレスによってすい臓のβ細胞が疲弊することが、糖尿病を発症させる原因になっていたのです。

「総摂取エネルギーの約6割を糖質からとる、なんて治療法をしていては、糖尿病を治すどころか、大変なことになってしまう」。そう考えた私は、糖尿病の克服にむけて、国内外の文献を読み漁りました。

そして、日本では高雄病院理事長が糖質制限食を提唱していることを知りました。この食事療法はきわめて簡単です。カロリー総数はあまり気にせず、糖質を抜けばよいだけです。食事のたびにカロリー制限にイライラしなくてもよくなったことだけでも、どれほど心身を安定させてくれたでしょうか。

世間一般では、「ブドウ糖は脳の唯一の栄養素」といい、「糖質制限をすると、頭がボーッとして脳機能が悪くなる」と脅す人もいますが、そんなことはありません。そもそも脳の栄養となるのはブドウ糖だけではないのです。人間の体とはそんなに単純ではありません。脳が働かなければ生命を維持できないというのに、たった一つの栄養素に頼り切るはずがないでしょう。

糖質制限を始めると、わずか2週間で私の高血糖は空腹時血糖が90mg/dLまで低下しました。それだけではありません。中性脂肪も減り、善玉コレステロールと呼ばれるHDLの値が増加しました。体重も10キロも減り、ダイエットにも成功しました。

何よりも嬉しかったのは、髪の毛に元気が戻ってきたことです。

糖質制限により血糖値が落ち着くだろうことは、予測していたことです。体調の改善も、ダイエット効果も期待していました。けれども、髪の毛の状態までよくなっていくとは、思ってもいませんでした。

ここから私は薄毛と糖質制限の関係性に俄然、興味を持ち始めたのです。